完了形とは日本人にとって馴染みが無い表現で、多くの方がわかりにくく感じる文法の1つです。
そんな完了形には「現在完了形」の他にも、
「過去完了形」と「未来完了形」
と言った時間が違う表現が存在します。
特に未来完了形に関しては
「未来なのに完了?」
と違和感を感じてわかりにくいかもしれません。
この記事では「過去完了形」と「未来完了形」について解説していくので是非参考にして下さい。
ちなみにこの二つを理解する為にはまず「現在完了形」とはどんなものなのか把握しておく必要があります。
まだ「現在完了形」を理解していないと言う方は以下の記事で解説しているのでそちらから参考にして下さい。
Contents
過去完了形とは?
現在完了形では「have + 過去分詞」の形で使いますが、過去完了形は
「had + 過去分詞」
の形で使用するものです。
そして過去完了形も現在完了形と同じ様に、
「完了・結果」「継続」「経験」
これらの使い方が存在します。
また現在完了形では「現在の時点」を指定して使用する文法でしたが、過去完了形では
「過去の時点を指して使用する文法」
となっています。
これからそれぞれの使い方に分けて解説していきます。
過去の時点での「完了・結果」を表す!
- I had already had breakfast when my father got up.
(父が起きた時に私は既に朝食を済ませていました。) - I had just had breakfast when my father got up.
(父が起きた時に私は丁度朝食を済ませました。) - I hadn't had breakfast when my father got up (yet). (否定文)
(父が起きた時に私はまだ朝食を済ませていなかった。)
過去完了形の「完了・結果」では過去の時点で完了した事、または結果を表す使い方が出来ます。
例えば例文の1つ目は「父が起きた時」と言う過去の時点で「食べ終わっていた」と言う事を表す文章です。
ちなみに良く使われる副詞としては現在完了形と同じ様に、
「just(丁度)」
「already(既に)」
「yet(まだ、もう)」
等が挙げられます。
それ以外にも「~の時」と表すための「when~」も使います。
ただし「yet」については、わざわざ使わなくても意味が通る事が殆どです。
ちなみに「already(既に)」は肯定文、「yet(まだ、もう)」は疑問文と否定文のみと言う使い分けがされるので気を付けて下さい。
過去の時点で「継続」を表す!
- I had lived in America for three years before I went to Japan.
(私は日本に行く前、3年間アメリカに住んでいました。) - I had lived in America for three years till(until) then.
(その時まで私は3年間アメリカに住んでいました。) - I had lived in America for three years when I got to know him.
(彼と知り合った時、私は3年間アメリカに住んでいました。) - I hadn't lived in America before I went to Japan. (否定文)
(私は日本に行く前、アメリカに住んでいませんでした。) - Had you lived in America before you went to Japan. (疑問文)
(あなたは日本に行く前、ずっとアメリカに住んでいましたか?) - How long had you lived in America before you went to Japan. (疑問文)
(あなたは日本に行く前、どの位アメリカに住んでいましたか?)
過去完了形の「継続」では過去の時点でその物事をずっと続けているかどうかという事を表します。
例えば例文の1つ目は「日本に行く前」と言う過去の時点で「アメリカに住んでから3年間継続している」と言う事を表す文章です。
ちなみに良く使われる副詞としては上の例文で書いている通り、
「for(~間)」
「until(~まで)」
「before(~の前)」
「when~(~の時)」
等が挙げられます。
また疑問文で「どの位の期間か?」を聞く為に「how long」も良く使われます。
ちなみにtillと言うのはuntilを省略した物なので全く同じ意味と使い方をする物です。
ただし状況によっては「until」を使うべき時もあります。
使い分けなどの詳細は以下の記事で書いているので参考にして下さい。
過去の時点で「経験」を表す!
- I had been to America three times before I was 10 years old.
(私は10歳になる前に3回アメリカに行った事があった。) - I had never been to America before I was 10 years old. (否定文)
(私は10歳になる前にアメリカに行った事が無かった。) - Had you been to America before you were 10 years old? (疑問文)
(あなたは10歳になる前にアメリカに行った事がありましたか?) - How many times had you been to America before you were 10 years old? (疑問文)
(あなたは10歳になる前に何回アメリカに行った事がありましたか?)
過去完了形の「経験」では過去のある時点でその物事を経験したことがあるかどうかを表す時に使います。
例えば、例文1では「10歳までの時点」で「3回アメリカに行ったことがある」と言う事を表しています。
なので、仮にこの文章を20歳の方が言っているとしたら、11歳~20歳までの期間は含めていないので、もっとたくさんアメリカに行っているのかもしれません。
ちなみに良く使われる副詞としては上の例文で書いている通り、
「before(~の前)」
「never(一度も無い)」
「once(1回)、twice(2回)、three times(3回)」
などが挙げられます。
また疑問文で「何回経験した事があるのか?」と聞くために「How many times」も良く使われます。
ちなみに具体的な回数を表す時、1回と2回は「once」と「twice」が使われますが、3回以上の場合は
「回数 + times」
と言う形になります。
なので例を出すと、6回なら「six times」10回なら「ten times」となるので気を付けて下さい。
未来完了形とは?
未来完了形は「will + have + 過去分詞」と言う形で使用する物です。
そして未来完了形についても現在完了形、過去完了形と同じ様に、
「完了」「継続」「経験」
これらの使い方が存在します。
また現在完了形では「現在の時点」、過去完了形では「過去の時点」を指定して使用する文法でしたが、未来完了形では
「未来の時点を指して使用する文法」
となっています。
その為、未来完了形は名前に「完了形」と入っていますが、話している現時点ではまだ完了していない表現になります。
これからそれぞれの使い方に分けて解説していきます。
未来の時点での完了・結果を表す!
- I will have had breakfast before my father get up.
(父が起きる前に私は朝食を済ませているでしょう。) - I will have had breakfast by seven o’clock.
(私は7時までに朝食を済ませているでしょう。) - I won't(will not) have had breakfast before my father get up. (否定文)
(父が起きる前に私は朝食を済ませていないでしょう。) - Will you have had breakfast before your father get up? (疑問文)
- (父が起きる前にあなたは朝食を済ませていますか?)
未来完了形の「完了・結果」では未来の時点で完了している事、または結果を表す使い方が出来ます。
例えば例文1では「父が起きる前」と言う未来の出来事の時点で「食べ終わっているだろう」と言う事を表す文章です。
ちなみに良く使われる副詞としては上の例文でも書いている通り、
「before (~の前)」
「by(~まで)」
が良く使われます。
ちなみに「won't」は「will not」の省略形です。
未来の時点で継続している事を表す!
- I will have lived in America until next year.
(私は来年までアメリカに住んでいるでしょう。) - I will have lived in America for three years next month.
(私は来月で3年間アメリカに住んでいる事になります。) - I won't have lived in America until next year. (否定文)
(私は来年までアメリカに住んでいないでしょう。) - Will you have lived in America until next year? (疑問文)
(あなたは来年までアメリカに住んでいますか?)
未来完了形の「継続」では未来の時点でその物事をずっと続けているかどうかという事を表します。
例えば例文の1つ目は「来年まで」と言う未来の時点でも「アメリカに住み続けている」と言う事を表す文章です。
ちなみに良く使われる副詞としては上の例文で書いている通り、
「for(~間)」
「until(~まで)」
等が挙げられます。
未来の時点で経験している事を表す!
- I will have been to America three times if I go there again.
(もしもう1回アメリカに行ったら、私はアメリカに3回言った事になるでしょう。) - I will have been to America before I am 20 years old.
(私は20歳になる前にアメリカへ行くことになるでしょう。) - I won't have been to America before I am 20 years old. (否定文)
(私は20歳になる前にアメリカへ行くことは無いでしょう。) - I will never have been to America before I am 20 years old. (否定文)
(私は20歳になる前に決してアメリカへ行くことは無いでしょう。) - Will you have been to America before you are 20 years old. (疑問文)
(あなたは20歳になる前にアメリカへ行きますか?)
未来完了形の「経験」では未来のある時点でその物事を経験しているかどうかを表す時に使います。
例えば、例文1では「もしもう一度アメリカに行った場合」と言う未来で「アメリカに行く事は3回経験する事になる」と言うのを表しています。
また、例文2では「20歳になる前」に「アメリカへ行く事を経験するであろう」と言う事を表します。
ちなみに良く使われる副詞としては上の例文で書いている通り、
「before(~の前)」
「never(一度も無い)」
「once(1回)、twice(2回)、three times(3回)」
などが挙げられます。
まとめ!
- 「完了・結果」は過去の時点で完了した事、または結果を表す!
- 「継続」は過去の時点でその物事を続けているかどうかを表す!
- 「経験」は過去のある時点でその物事を経験したことがあるかを表す!
- 「完了・結果」では未来の時点で完了している事、または結果を表す!
- 「継続」は未来の時点でその物事をずっと続けているかを表す!
- 「経験」は未来のある時点でその物事を経験しているかどうかを表す!
この様に「過去完了形」と「未来完了形」は「現在完了形」とは指している時間が違うだけで基本的な意味は同じとなっています。
その為、現在完了形を理解しているのであれば、この2つを理解するのはそれほど難しい事ではありません。